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私が舞舞キッズを始めた当初の目的は、舞踊人口の増加と地域の文化向上のためでした。そして、大人相手の稽古しか経験のなかった私は、なかなか子供に馴染めず、また子供達の勢いに押され戸惑うばかりでした。
手を抜いて稽古すると子供達はきたない形になり、気を抜くと子供達もだらけるのです。それは、子供は正直で「誤魔化しが効かない」ということでした。その後、稽古を重ね、また郡山市富久山幼稚園との出会いや多くの子供達と接し、舞舞キッズ倶楽部として子供達の成長の過程で、最初の意図したことよりもっと大切な役割を果たすことができるのではないかと思うようになったのです。
「子供」というのは本当にかわいい。素直で真っすぐで、接していると自分自身の心までも癒されます。その子一人一人には、しっかりとした「人格」があり、「性格」の違いがあります。さらに子供達とよく話をしてみると、育ち、生活、そして環境もクリアに見えてきます。その中で特に最近は、以下の子供達が多く見られることに気づくようになったのです。園長先生とお話してみても、やはりそうした子供が多くなったと、おっしゃっています。
・挨拶のできない子
・おとなしくじっとしてない子
・物を乱雑にあつかってる子
・すぐ口答えする子
・切れる子
子供達の心、精神というのは近年どのように変わってきたのでしょうか。特に最近は「家庭内暴力」「いじめ」などが、大きな社会問題となり、様々な悲劇が起きています。その原因はどこにあるのでしょうか。学校や教育機関だけに問題があるのでしょうか。やはり、私は家庭環境ではないかと思うのです。では、どのように家庭環境が変化してきているのか次のように考えてみました。
(1)お父さんお母さんの共働き
(2)核家族化
(3)テレビ等の情報の多さ
(1)お父さんお母さんが共働き・・・ これは子供と接する時間が少ないということになります。子供と接する時間が少ないということは、子供の心の変化に気づくことができない親が多いということです。親達に時間がなく忙しいということは、親のストレスを増加させ、さらに夫婦間のいざこざなどの原因にも発展しかねません。子供は繊細です。そうした親の心情が子供にストレートに伝わってしまいます。生活上共働きがやむを得ず、保育所などに預ける場合でも、両親がバランスよく子供に接して向き合ってあげることが大事なのではないでしょうか。
(2)核家族化の増加・・・ 最近の住宅事情を見てみると、新築マンション、新興住宅など素晴らしく住みやすい環境ができています。地域格差などとよく耳にしますが、田舎の不便なところから、何でも揃う都会でのくらしが急増しております。田舎の実家は夏暑いし冬は寒い隙間風の家かも知れない。しかし、そこには美味しい料理や思いっきり走ることができる野山や田畑があり、なによりもおじいちゃんおばあちゃんの愛情がいっぱいあるのです。たまには我が儘でも言って、その愛を一心に浴びることも必要なのではないでしょうか。
(3)テレビ等の情報の多さ・・・ 先ほど便利な暮らしと言いましたが、子供に対しての情報も素晴らしい進化を遂げています。子供の遊びのハイテクさに大人はついていけません。しかし、テレビやDVD、パソコンなどの機械からばかり学んでよいものでしょうか。絵本を読んで聞かせたり、おばあちゃんの昔話も大切でしょう。子供が親に対してメッセージを送っている事を真剣に受け止め、しっかり向き合って対話してあげることが大事なのです。
そこで、舞舞キッズ倶楽部では何ができるのだろうか・・・
◆子供達の話を聞く・・・ その子が褒めてプラスになるのか厳しくしてプラスになるのか、繊細か大雑把か、閉鎖的か楽天的か等、その子に合わせた指導方法を理解すると同時に、子供達の心を開かせ、先生や仲間たちとの親近感をもたせる。
◆お辞儀、挨拶の仕方を覚えさせる・・・ どんな時でも始めは挨拶をしなければなりません。挨拶もただ頭を下げるのではなく、相手を見て「心」をもってしなければなりません。当教室では稽古場に入る際にまず正座をして先生にご挨拶、そして、稽古場の中にいる先輩や仲間にご挨拶をします。その後、着物に着替え、お稽古をつけて頂く際に先生と向かい合い、「お願いします!」とお辞儀をして稽古に入るのです。たかが挨拶と思うかもしれませんがとても大事なことです。
◆言葉の練習・・・ 当教室ではNHK「にほんごであそぼう」や歌舞伎のセリフ、昔話の民話等を用いて言葉の発声や、それに込められている意味を指導しております。言葉をはっきり言うことだけではなく、昔ながらの意味があり、温かみのある言葉を発することで情緒も養います。
◆着物を着る・・・ 着物を着るということはただ可愛い、奇麗というだけでなく、(a)身だしなみを整えること、自分がきれいになること。(b)動作を品良くすることがあります。着物を着て帯を締めるとまず気持ちが引き締まります。もし、姿勢が悪くなれば自然と着物は着崩れ、鏡で自分の姿を見たときあわてて姿勢を直すでしょう。着物を着るということは「姿勢を正す」=「心を正す」につながるプロセスなのです。また教室では、小学生から着物をたたむのはもちろん、着付けも自分でできるよう指導しております。
◆踊りの稽古・・・ 最近は、ヒップホップなど体を動かし、いっぱい汗を流すものがはやっております。それはとてもいいことですし、ストレス発散にもなるでしょう。日本舞踊やお能、狂言などは、音楽で言えばポップスやロックではなく、演歌といったところでしょう。紅白歌合戦などみてわかるように、ポップスやロックは見てて華やかですし気持ちがいいですね。では演歌はどうでしょう。歌詞の一つ一つに深い意味があり、その意味をメロディーに合わせ歌手が魂を込めて歌い上げます。唄い終わった後、心にずしっと染み渡りませんか? 日本舞踊では、心で描いたものを体いっぱいに表現します。例えば、春には春の、夏には夏の、心に描くものを表現するのです。最近の子供達はとても感性豊かです。子供達が持っている個性を生かし、引き出してあげたいと思います。踊りは、年齢、個人のレベルに合わせての稽古になります。小学生未満は童謡中心、小学生以上は古典舞踊、小曲集が中心になります。時にはおもしろい曲を稽古したりもします。
◆舞台で踊る・・・ 「舞台で踊る」ことは、(a)舞台で踊るために普段の稽古に張り合いがでる。(b)緊張感を味わう。(c)成功しても失敗してもプラスになる。(d)自信が持てる。(e)スターになれる。といった要素を持っています。
(a)は、舞台の稽古は普段の稽古とは違い、ちょっと緊張感を持った厳しい稽古にもなりますが、子供達も頑張って、家族にいい踊りを見せようと一生懸命になります。(b)は、小学生くらいになると、舞台前に落ち着きがなくなったり、食欲がなくなったりと緊張を覚えます。しかし、私は、舞台での緊張は、子供達にとってプラスなことだと思ってます。『緊張=つらいこと』ではなく、『緊張=強い人間になっていく』だと思うのです。大事なのは成功しても失敗してもその後のフォローです。これは(c)(d)のことになるのですが、そのフォローは私だけでなくお母さんやお父さんや家族からの「温かい言葉」が重要になってきます。それが、子供達の自信につながっていきます。(e)はオマケですが、舞台でスポットライトを浴びると子供達は皆もう女優、俳優になっちゃうのですね、もちろん本当にそういう卵が見つかるかもしれませんが・・・
舞舞キッズ倶楽部では、このような稽古や舞台を通して、まず第一に子供達の心(情緒)の安定と育成、その次に踊りの上達を考えております。伝統の文化とは先人からの教えであり、代々その時代ごとに守り伝えられていたもの。その大切さ、ありがたさを、そして価値を子供達と共に学び、大切にしていきたいと思っております。
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